野鳥の会にケンカを売る覚悟でキジバトの鳴き声を正しい活字に起こしてみた

キジバトに関する考察第三弾である。自分でも、よくもまあいろいろとキジバトの記事を書くもんだな、と思うところではあるものの、数多の超大手ブロガーが闊歩する今日、当ブログにも「独自色の強いキラーコンテンツ」が必要であろうという強い想いから、半ばヤケクソ気味にキジバトの記事をどんどんと増やしていこう、と、そう思った次第である。キジバトのキジを。キジだけに。

というワケで今回は、もしキジバトの鳴き声を文字に起こしてみたら、果たして正しい書き方というのはどんな書き方なのか、の考察である。考察ではあるが、どちらかというと特定の表記方法に対するアンチテーゼという側面が強く、また正確には戯れ言の類に入るかもしれない。

おさらい・キジバトの鳴き声とリズムを確認

まずは改めてキジバトの鳴き声を聞いてみることにする。以下は本当の鳴き声ではなく、以前の記事で紹介した、Cubaseの打ち込みで作ったオリジナル鳴き声ではあるものの、98%という高い再現率(当ブログ調べ)を誇る打ち込みのため、改めて正式な鳴き声として譜面とともに紹介する。

キジバトの鳴き声譜面

第一候補「ぽ」

さて、あらためて聞いたのちに、皆様がこれを文字にするとしたら、どんな感じだろうか。最もメジャーなものとしては童謡「はとぽっぽ」に見られるような「ぽ」という表現だろうか。

譜面に合わせて表記するなら

ぽーぽぅぽーんぽっぽー

となる。

ポイントとして、「ん」の部分は実際に音にするわけではないが、その後の二音を16分の裏で表現するために必要な「間」のようなものだとご理解いただきたい。また「ぽーぽぅ」の「ぅ」の部分で、若干音程が下がるのを表現している。

ただし「ぽ」一文字では、終わり二音の若干巻き舌のようなうねりが表現できず、やや平坦になってしまう印象がある。

第二候補「ほ」と「ろ」

鳩の鳴き真似界で最も多く使われるのが「ホロッホー」であるが、こちらは多少文字組みに工夫が必要なものの、「ろ」があることで「ぽ」一文字で再現ができなかった後半のうねりを表現することがができる。

表記としては

ほーほぅほーほろっろー

といったところだろうか。

後半の二音が「ろっろー」になることで前半の三音との違いがしっかりと表現できるようにはなった。

ただし、「ろっろー」の前の「ほ」については、前述の「ん」と同じ役割、いわば16分の裏の前の「間」を表現するものとしているのだが、半ば強引に「ろ」を入れたいがために入れた「ほ」であり、音としては発音しないでほしいところだが、結果かなり苦しい表現になってしまったと言わざるを得ない。

第三候補「く」と「る」

鳩の鳴き真似界で、前述の「ホロッホー」と双璧をなすのは、やはり「クルックー」ではないかと思う。すでに「ほ」と「ろ」を使った表現でもゴリ押し感が否めなかったが、あえて「く」と「る」での表現も考えてみたいと思う。

即ち

くーくぅくーくるっるー

となる。

基本構造は前述の「ホロッホー」と同じであり、最早あまり面白みはないので、特に言及することはない。

他所様の表現と違和感

ここでふと、「そういえば他の人たちはどういった表現をしているのだろう」と気になったので、いくつかのサイトを調べてみた。まず鳥関係で最初に思いつくのはやはり「日本野鳥の会」だが、野鳥の会のサイトにはそれらしき情報は見当たらなかった。タイトルに「野鳥の会にケンカを売る覚悟で」と書いたが、結果的にはそうならずに済んで一安心である。平和が一番。

次いで、「キジバト 鳴き声」で検索して一番上に出てきた「日本の鳥百科」。なぜかサントリーが運営しているようだが、創業者が鳥居さんだから鳥つながりでやっているのだろうか。

この「日本の鳥百科」、百科というだけあってキジバトの個別ページがしっかりと存在しているのだが、そこに記載されている鳴き声は以下のとおりだった。

日本の鳥百科キジバト

まさかの「デデッポポー」である

よりによって「デ」である。「デデッ」である。

マジで耳垢溜まってるんじゃないのか、と。日本のオノマトペを学んでこなかったのか、と。この説を唱えた人物を小一時間説教したくなるほどの違和感である。

ところがこの「デ」信者、調べてみると意外と多く存在する。もしかすると、これを読んでいる方の中にも「デ」が一般的だと思っている方もおられるかもしれない。

しかし私は自分の違和感に素直に従って、あえて反論をしてみたいと思う。

「デ」の違和感の正体

ではまず、みなさんが「デ」という文字を見た時にどういった音を想像するだろうか。

たとえばクイズ番組やバラエティでの効果音を「デデン!」と表現する時がある。以下の動画の冒頭にその音があるので参考にしていただきたいのだが、この音を文字にするとたしかに「デデン!」というイメージである。

片やもうひとつメジャーどころを上げるとすると、ガキの使いの笑ってはいけないシリーズの「○○、アウト!」の前に流れる効果音、これも「デデーン!」と表現することが多いのではないだろうか。

そう、音を表現する上での「デ」の役割としては、基本的に、歪んでる音や濁ってる音、もしくはアタックの強い音を表すことが多いのである。

逆にもしデデッポポーが許されるのであれば、キジバトの鳴き声で表現している「デデ」の部分と、ガキの使いの効果音の「デデ」の部分は同じような音である、ということになってしまう。キジバトの鳴き声のあとに「松本、アウト」と言われてもしっくりこないことは自明の理である。まあ、それはそれで面白くはあるが。

そういった前提に当てはめると、キジバトの

この鳴き声が、「デデッ」と表現することに違和感を感じる、という言い分にもご理解をいただけると思う。

何度も言うが、キジバトのあの柔らかい鳴き声を「ほ」や「ぽ」ではなく、「デ」で表現するのというのはどうにも理解ができない。「デ」は硬い音を表現する文字であり、「ぽ」は柔らかい音を表現する文字である。その役割をごっちゃにしてはいけない。

結論・キジバトの鳴き声を文字にすると

ほーほぅほーんろっっろrrrー

である。異論は認めない。